インプラントの種類手術回数や治療期間が異なる2つのタイプ

インプラントの種類と手術法の関係について

インプラント専門治療室

インプラント治療では入れ歯やブリッジと違って、インプラントを骨に埋入する外科手術が必要なことから、インプラントを検討される際、手術に不安を感じる患者様が多くいらっしゃいます。

そこで、ここではインプラントへの理解を深めていただくために、インプラントの種類と手術法についてご紹介させていただきます。

インプラントの構造と手術法

インプラントの構造・アバットメント・フィクスチャー・上部構造

歯科インプラントでは、歯根部分にあたる「フィクスチャー(インプラント本体)」と、上部に取り付ける「人工の歯」、上部を支える「アバットメント」の3つの部品をつなぎ合わせることで、1つの歯が出来上がります。一般的にインプラントの種類は、フィクスチャーとアバットメントが一体化した「1ピースタイプ」と、フィクスチャーとアバットメントを接続する「2ピースタイプ」の2つのタイプに分類されます。

インプラントの構造

インプラントを埋入する手術には、1ピースタイプと2ピースタイプのそれぞれの特徴を活かした、2つの手術法があります。

手術法1:一回法

一回法は、一度で外科手術が完了する手術法です。歯肉を切開してから、1ピースタイプはそのまま埋入します。また、2ピースタイプの場合はフィクスチャーを埋め込んでから、一時的にヒーリングアバットメントと呼ばれるフタをします。

手術後は1~6ヶ月ほど安静期間を置き、インプラントと骨の結合が確認されたら、2ピースタイプの場合はヒーリングアバットメントを通常のアバットメントに付け替えてから、人工歯を装着します。

手術法2:二回法

二回法は一次手術と二次手術の2回の外科手術を行う、2ピースタイプを使用した手術方法です。一次手術では歯肉を切開してからフィクスチャーを埋入後に、カバースクリューと呼ばれるフタをして縫合します。

その後、3~6ヶ月ほど結合期間を置き、二次手術では歯肉を切開して余分な骨を取り除いてから、カバーを外してヒーリングアバットメントを接続。1~6週間ほど歯肉が落ち着くのを待ってから、通常のアバットメントに付け替えて人工歯を装着します。

種類ごとのインプラントのメリットとデメリット

1ピースタイプと2ピースタイプは、形状が異なることで治療の流れや治療期間に違いがあります。2つの違いを知ることで、インプラントへの理解を深めてください。

1ピースタイプのメリット・デメリット

1ピースタイプは、外科手術が1回で済むことから、2ピースタイプに比べて治療期間が短いというメリットがあります。さらに部品が少ないため、2ピースタイプよりも費用を低く抑えられるのが特徴です。

ただし、顎の骨がしっかりしている患者様に限られるほか、手術法も一回法に限定されてしまいます。また、アバットメント部分に問題が生じた場合でも、インプラント全体を外さなければならないというデメリットがあります。

2ピースタイプのメリット・デメリット

2ピースタイプは、フィクスチャーとアバットメントが別々の部品のため、一回法と二回法の2つの手術法のどちらかを選ぶことができるという特徴があります。また、顎の骨の状態に左右されない上、一次手術後に縫合して結合期間をしっかりとることから、細菌への感染リスクが低いのが大きなメリットです。

それに対して、外科手術を2回行うことで治療期間が長く、さらにフィクスチャーとアバットメントをつなぐネジが緩む可能性があるのがデメリットだといえます。

当院では2ピースタイプをおすすめしています

「手術の回数が少なく治療期間が短い1ピースタイプ」「選択肢が多く安全性が高い2ピースタイプ」と、インプラントは種類によって特徴が異なります。

インプラント治療では、患者様のお口の中や骨の状態をしっかり調べて、患者様に合った治療法をご提案させていただきます。その際、患者様に安心して治療を受けていただくためにも、安全性の高さは最も重要であると考えております。

手術の回数の多さや治療期間の長さに負担を感じる患者様にとっては、1ピースタイプの方が魅力的に感じるかもしれません。ですが、あくまでも当院では患者様への安全性を考慮して、2ピースタイプを使用した2回法をおすすめしています。