インプラントのリスク因子糖尿病など治療が成功しにくい全身疾患

インプラントの失敗を招く!?リスク要因となり得る全身疾患

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インプラントは外科手術が必要になりますから、リスクが伴います。治療やインプラントの質が、インプラントの失敗リスクを高める可能性も否定できませんが、患者さんの持病が影響する場合もあります。口の中の問題だけでなく、全身の問題もインプラント成功を左右するのです。

インプラントのリスクファクターとなる主な4つの全身疾患

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インプラントは成功率の高い治療方法ですが、必ずしも誰もが成功するとは言えないのが実状です。インプラント治療のリスクファクターとなる全身疾患には、次のようなものがあります。

糖尿病

「糖尿病の人はインプラントにできない」などと、耳にしたことがある人もいるかもしれません。糖尿病の人はインプラントにできないというのは正しくありませんが、糖尿病が失敗を招く要因となるのは事実です。

糖尿病の人は、感染しやすく傷口が治癒しにくい、さらに骨とインプラントの結合が良くないという特徴があります。重度糖尿病の場合は、インプラント治療ができない可能性もあるでしょう。
糖尿病の人がインプラント治療を希望する場合には、血糖値のコントロールが適切に行われていることが条件となるでしょう。

骨粗しょう症

骨粗しょう症の人のインプラント治療は、骨とインプラントが結合しにくい可能性があります。そのため、治療期間が長くなるケースも少なくありません。
骨密度や骨の質が低下していると、インプラントを埋入しても初期固定が得にくいです。また、骨の代謝がスムーズに行われていないため、インプラントを安定させにくいというリスクもあります。

高血圧

40~74歳の日本人の、男性約60%・女性約40%が高血圧だとも言われています。比較的一般的とも言える病気なのですが、インプラント治療ができない可能性がある病気です。
高血圧の人は、手術の緊張や不安、恐怖によって血圧が高くなる可能性があるためです。

局所麻酔のみでインプラント治療を行う場合、痛みはありませんが、意識はしっかりしていますので恐怖や不安はあります。そのため、意識が薄れた状態で治療できるように、静脈内鎮静法を併用して治療を行うことが必要になるでしょう。

貧血

貧血の人は、組織に酸素が不足しているため、傷が治りにくかったり、免疫力が低下したりしています。そのため、細菌感染リスクが高く、手術の傷が治りにくいというデメリットがあります。
軽度の貧血ならばインプラント治療を受けることも可能ですが、ひどい場合には、インプラント治療の前に貧血を改善することが必要になるでしょう。

リスクとなり得る全身疾患がある人のインプラント治療

インプラント治療は口の中の問題だけでなく、全身疾患の影響も受けるため、全身疾患がある場合は、検査結果など病気の状態を歯科医に知らせる必要があります。
また、全身疾患のある人は、全身管理のもとでインプラント治療を受けることが望ましいと言えるでしょう。

全身の状態を把握したうえでの治療が必要

当院では、より安全な治療のために、心電図や血圧・血液などを手術前に検査を受けていただく場合もあります。全身の状態を把握したうえで、全身管理を担当する麻酔医が立ち会うことで、より安全性の高い治療を行えるよう努めています。

持病があるから…とインプラント治療を諦めている人も少なくないようですが、当院では持病をお持ちの患者様にも安心してインプラント治療を受けていただいています。

自分に合った治療を行ってくれる歯科を選ぶことが大切

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口の中だけでなく、全身症状も考慮して、その人に合った治療を行うことが大切です。麻酔に関して言えば、その人の全身状態を考慮しながらの投与が必要になるでしょう。

当院では、その人の口の中、全身状態を十分に把握したうえで、患者様一人一人に合った治療を行っています。持病をお持ちの患者様は、特に歯科医院選びを慎重に行うことをお勧めします。